家づくりの流れ-② 躯体 (工法編)

皆さんこんにちは!

昨日台風が発生し沖縄では50年に一度の大雨が降っていると報道がされて

いました。

今回の台風の特徴は、その発生地が例年の様にフィリピン沖からの発生では

無く台湾にて発生したという事です。

台湾では今年海水温度が例年より1-2度高く、これが台湾で台風が発生した

原因であるとのことでしたが... ほんとに地球はどうなっちゃうのだろうと。

こんなことからも日本の住宅はこれから100年に一度や150年に一度の風雨

にも何ともないような住宅を建ててゆかねばならないのだな~と一人考えさせ

られた日でした。


さて、

先日基礎についてお話をさせていただきましたので次は勿論躯体に入ってゆき

ます。

工法については昨今、各ハウスメーカーや海外の技術を導入し、様々な工法に

よって住宅が建築されております。


①木造軸組工法

もちろん日本で最もポピュラーであり一番採用度の高い工法が木造軸組工法、

いわゆる在来工法と呼ばれている工法です。

木造軸組構法.jpg
ウィキペディアより


基本的な構造は柱と梁の組み合わせから成り立っており、この接合部や応力

のかかる部分に接合金物をいれ補強をします。

また、地震等の際の水平方向の動きに対応するために斜めがけやたすき掛けで

筋交いをいれて補強する工法となります。

在来工法の構造図.jpg
たすき掛けの筋交い図 ウィキペディアより


ただこの木造軸組工法もいろんな工法のいいとこどりをして少しずつ工法が変化

したりもしています。

アイズホームで使用している工法もハイブリットと言っていい木造軸組パネル工法

と言われるもので軸組み工法と面で支える2×4工法の良い部分を取り入れている

工法といえます。

この工法は筋交いのみで支えていた水平方面の応力を構造壁の面で支える構造を

加えたもので、気密が取りやすく今非常にポピュラーになっている工法であります。

注文建築にはこれに加え接合部の断面欠損を抑え接合部をドリフトピンと呼ばれる

ピンで留める「金物工法」言われる技術を加えております。

このドリフトピン、超鋼と呼ばれるものすごく硬い鋼鉄を加工したピンを使います

のでちょっとやそっとじゃ曲がったり断裂したりしません。

これに制震ダンパーなどを加えてお客様へご提案をいたします。


長くなってしまいましたが、これ以外にもアップルピンと呼ばれるピンを利用した

APS金物工法だったり、それぞれハウスメーカーや金物メーカーなどが色々な

名称でものすごい量の亜流の工法を出しているのが現状です。
(多いのであげませんが、私が聞いている工法だけでも7-8以上あります)


②ツーバイフォー(木造枠組壁工法)

世界的に一番取り入れられている木造住宅の工法です。

日本では三井ホームがこの工法を日本で初めて採用し広めたといわれます。

なので日本での歴史はまだ浅いといえますが、45年以上たった現在では

面で支えるこの工法は、施工も容易で工期も早い為、現在では様々なハウス

メーカーで導入されております。

ツーバイフォー工法.jpg

工法としては構造用合板を利用した耐力壁と床、屋根を、一体として組み

合わせる事で箱型の強固な構造を実現しています。

耐力壁に利用される枠材としての木材のサイズが2インチ×4インチの枠材を
(もしくは6インチ)

利用するためツーバイフォーないしツーバイシックスと呼ばれます。

枠に取り付けられた構造用合板で強度をとっているので、打ち付ける

釘の種類とその打ち付けスパンが厳密に定められており、これを守ら

ないと計算上の耐力がでないので注意が必要となります。

面で力を分散して受ける為、耐震性も高く、気密性、防音性、断熱性

にもすぐれていますが、前述の様に面で支えているため開口部に対し

ての成約は多くなりサッシの配置などで頭を悩ませたりしますね。
(方法がないわけではないのですが...予算が(^^;))

実は私の自宅もツーバイフォー工法によって建てられています。
(弊社は先ほど言ったように木造軸組パネル工法ですが(^^;))


③木質パネル工法

正直この工法、この工法の認識をもって見た住宅は、住宅展示場と友人

の家しかありません。

ただ自分の友人がこの工法で家を建て、その理屈をいやというほど聞き

ましたので、頭には入っていますが...

主にはハウスメーカーのミサワホームさんやエスバイエル(S×L)、

住友不動産などでお取り扱いをしているようです。

panel1.jpg


名前のごとくパネルとして工場生産した、壁や天井、床などの構造躯体を

現場に搬入して組み立てる工法です。

この工法自体を採用しているメーカーさんも上記以外で聞いたことがない

のでそれほど多くはなく、パネルを昔から扱っているメーカーさんがやっ

ているというイメージですね。(違うかもしれませんが)

パネルが規格化されて工場生産の上、現場へ納品されているので品質が安定

しており、ツーバイフォー工法と同じように現場での手間が削減できるため

工期が短く済むようです。 ただ、合板を接着剤などで加熱圧着させるよう

なので個人的には化学物質過敏症の方にはどうかな?と思われるところです。

職人の技術に左右されることもないので1棟1棟にブレがないのはメリットで

すがパネルが規格化されているので、自由な間取りの設定ができないし大きく

開口部をとれない等、設計の自由度が低く、建築後のリフォームや増改築など

もしにくいかもしれないようです。


④ラーメン工法
別名:ビッグフレーム構法、SE構法、木造門型フレーム工法など

従来は鉄骨造で利用していた工法でありますが、これを木造に技術的応用した

工法といえます。

about01.jpg

柱と梁の接合部をさらに強固にする必要がありますが、木造に応用することで、

本来鉄骨造やRC造でしか実現できなかった、大開口や間取りの自由度が広がり

ました。

鉄骨やRCに比べ安価にはなるようですが...それでもかなりお高くなるかも(^^;)


個人的には今一番注目している工法です。


いかがでしょうか?

工法だけ見ても各メーカーや工務店のこだわりがあり、それぞれ魅力があります。

間取り、価格、ご家族など、いろいろな要素を考えながら行うのが家づくり。

こんなところからでも一度初めて見てはいかがでしょうか?

キット、お客様に適した工法が見つかると思います。